腐敗データとアクティベーション、国会図書館のデジタル版

 先日に続いて、アクティベーションに苦言。
 このところしばらく、腐敗ビットに関して考えていた。CGデザインの仕事に手を染めて20年ほどだが、かなりの作業が腐敗ビットになっている。腐敗ビットとは、

 ・メディアのサポート終了(例えば、MOディスクのドライブが無い、とか)
 ・OSの変化
 ・アプリケーションの、旧ファイル形式のサポート終了、さらには、アプリ自体の終了 
......等々によって、デジタルデータとしては存在するが、読み書きできなくなってしまった諸々のデータを指す言葉だ。
 例えば、私の仕事部屋に100枚ほど、ピラミッド型に積み重なったMOディスクは、腐敗ビット寸前である。一応、MOドライブはあるが、マシンと繋ぐインターフェイスがない。シリアル・USB変換プラグを用意すれば、なんとかデータを救出できるかも知れない?。しかし救出できたところで、ストラタスタジオプロでできた3Dデータは、多分読み出せないだろう。試していないが、アプリケーション自体が変わってしまっている......。
 以前は、多分デジタルデータは劣化がない、とうことで、半永久的だと思われていたり、さらには、ディープ・スペクターだったか、デジタルデータは古びないのが良くないという意見さえ聞かれた。しかし、実際のところは、データ自体は無事だとしても、前述の諸々の理由で、気がついたら腐敗して使えなくなってしまっているものなのだ。  ......というのは、V・サーフ氏の話。これは全くの真実で、以前から知られていた。対策として、すべてのデータをテキストファイルで保存するとか、デジタル的にはラッダイト運動みたいな方法が考え出され、実行している人もいるようだ。
 サーフ氏自身は、その書類を作成したマシンをOS込みで保管しておくことを提案しているらしい。しかしもちろんこれは本質的な解決にはほど遠く、多分いつの日か、バベルの塔のように地上のデジタルデータの大部分が壊滅してしまう事態のほうが蓋然性が高い気さえする。
 で、アクティベーションである。仮に、今のところビット腐敗に対する最も有効な対策である、ハード、OS、アプリケーションすべての保存をしてあったとしよう。古のデータを読み出すために、このマシンが(あるいは仮想マシンが)動いている。動いている間は良かったが、HD(あるいは仮想メモリ)がクラッシュしてしまったと。......すべてを復旧させても、アプリケーション自体はアクティベートしてくれる会社がすでに無く、起動できない。かつてのすべてのデータは読み込めないゴミと化す......。アクティベーションという方法は、アプリケーションというよりは、その成果であるデータへの信頼感を大幅に弱めてしまう。アクティベーションというのは、デジタルデータの自殺行為かも知れない、とさえ思う。

 ここは、ま、ひとつ法的にですね、国立メディア芸術総合センターとか言っていないで、すべてのOS、ハード、アプリケーションを保管し、いつまでも手持ちのデータの再生をできるような、国内販売されるアプリはすべてそこに保管されているような、国会図書館のデジタル版のような、そのような施設を作っていただけないものでしょうかね?

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