偶然の力

 初版が一昨年である。出されてすぐにざっと目を通したが、後でゆっくり読もうと思って忘れていた。それがこの前、机の角からひょっこり現れたので、ついつい再読してしまった。
GTDにしろ、ポジティブ・シンキングにしろ、基本的には「選択」(よりよい選択)をするように我々を促している。「スピリチュアル」から「ビジネス書」まで含めて、世にあふれている啓蒙思想は基本的には、得なAと損なBの選択肢がある場合に、得であるAを選択すれば得である、という論理なのだ。しかしこれの実践は大抵はなはだ困難である。なぜならAとBのどちらが得なのか本当に知る方法はないのだから......。

ところが本書は、冒頭いきなり大切な場面、大事なことは「選択すべからず」とぶちかましてくれる。もちろん、最初はギリギリまで選択していって、最後の最後で選択を放棄する、ということだが......。 基本的には、凡百のビジネス書・人生書(?)と同じテーマ、「運・成功」というテーマを扱っているのだが、なにしろ老いたとはいえ東大四天王植島啓司の著作であるから、非凡なレベルからの見解ではあり、簡単に評価はできないことがらでもある。人間は老いていく時には、このようなことを思索するべきなのだろう。

色々な話題があるいのだが、特に気になるのは、モンティ・ホール問題だ、......しばらくの間はまってしまった......。これについては別に記事を立ててみたいと思っている。

一応、さわりとしてこれがどういう問題なのかだけ書いておきたい。

あるクイズ番組の中の一コーナーの話である。

回答者が三つの閉じているドアの前にいる。
このうち一つは「当たり」でピカピカの新車が入っている。
残りの二つは「外れ」で、山羊が入っている。

回答者は一つのドアを選ぶ。
そのドアが当たりなら、新車は彼のものになる。

回答者が一つドアを選んだところで、司会者(彼がモンティ・ホールらしい)が、選ばれなかったドアの一つを開ける。もちろんそこには山羊が入っている。
......ドアは二つ残っているが、そのタイミングで必ず司会者は回答者に、
「今あなたが選んだドアを変えるか、そのままのドアを選び続けるか」と訊ねるのだ。

ここで回答者が元のドアのままでいた場合と、ドアを交換した場合で、車が当たる確率が変わってくるというのである。ドアを交換した方が、しないより倍の正解率になると言うのだ。

さて、なぜでしょう。

これがモンティ・ホール問題。
私なりの解答はまた近日中に......(^_^;;

(集英社新書)

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