2008年8月アーカイブ

縮みゆく記憶

アルツハイマー病の経過がリアル。生徒さんの名前を覚えられない、ソフトのコマンドの記憶もごちゃごちゃの私には怖すぎました......。なるほど、スイスねぇ......(スイスでのベストセラーらしい。律儀なお国柄もほの見える......)。(ランダムハウス講談社)

イオーン

最初がみなし子ハッチ、最後が推理要素もある親子が殺し合うスリラー小説と、トリッキーな味わいの悲劇。しかし悲劇がトリッキーで良いのか? 他人なら殺して良くて肉親は絶対ダメというギリシア人のメンタリティは、ある意味謎だ。良く分からん。(ギリシア悲劇全集7・岩波書店)

ヘーラクレース

今年に入ってギリシア悲劇に順次目を通してきているが、ここに来てはじめて悲劇の名にふさわしい作品に出会ったような気がする。狂気に憑かれたヘラクレスが自分の妻子を惨殺する。これは、本当に悲しいテーマだと私は思う。対象を友人に変えエルロイも使っていた、逃げ場のない悲劇......(ギリシア悲劇全集6・岩波書店)

ヒケティデス

あちこちに出て来て、イマイチイメージ散漫なテーセウス王が、やっと王らしい活躍。解説見たら、どうもギリシアで最初に民主主義をやった王らしく、それで印象が散漫だったりすぐに意見が変わったりする軽薄さがあるのか......。どうも民主主義は、うろんなものではある。話は、戦争に負けたテーバイの戦士たちの死体を回収する話。(ギリシア悲劇全集6・岩波書店)

宿屋めぐり

ダブルミーニングどころかトリプルミーニングぐらいはあるみたいで、一種の宗教性がさらに濃厚になってきた。パンク侍に続き、これもグノーシスっぽい。今生が偽であり、真性の人生は他のどこかにあるという感覚が強く語られ、読みながら泣けて泣けてしょうがなかった。誤字が2カ所だけど、内容からいって、ハードカバーの方がいいよ。(講談社)

ヘカベー

「はは〜っ!」って感じか。作中突然変化する登場人物の性格のことを色々言われているようだが、作者の関心が人間の心理の裏と表のコントラスト、そのダイナミズムにいっているようであり、これは難しいところですよね。(ギリシア悲劇全集6・岩波書店)

アンドロマケー

話は複雑・分裂。ヘルミオ姐のプッツンぶりがやはり現代風。カウンセリングが必要そうな。ギリシア彫刻の印象から、ギリシア人たちは乳丸出しで歩いているような印象があったが、そうではなくてやはり恥ずかしいものだったらしい。隠せ、隠せって、ちょっと意外だった。(ギリシア悲劇全集6・岩波書店)

殺しの儀式

新刊かと思ったら旧刊だった。でも10回刷っているので、それは面白いという証明になるかも。サイコキラーだが、なんだかクラシカルな感じ。仕掛けが良く分かる(悪い意味ではない)。そういえばサイコパスものもそろそろ20年とかの歴史になるのではないか? むむむ......(集英社文庫)

ヒッポリュトス

前423年に初演のこの悲劇を持って、ギリシア人は現代人になったのだ。「舌は誓ったが、心は誓っていない」なんて......。前世紀からこんなこと言えたんだ、びっくりだ。そうそう、現代人と言えば、心が誓わない人種と思ってそう間違いではない。私たちは偽りの誓いを舌に、真実は誓えないかたちでその奥深くに(願わくば)持っているのだから。(ギリシア悲劇全集5・岩波書店)

ヘーラクレイダイ

ヘラクレス昇天後、彼に無理難題(十二の試練)を押しつけた王が仕返しを怖れて子供たちを殺そうとする。それで二つの国の間に戦争が起こり、子供はの一人は神託により生け贄となり、自分の味方をしてくれた国を勝利に導く。ちょっと分裂気味の話ではある。(ギリシア悲劇全集5・岩波書店)

メーデイア

【女王メディア】です、期待に違わぬぐちゃぐちゃぶり。女は怖い、とも言え、情念は怖い、とも言える。読後、胸の中に何かが残って、消えないですが。(ギリシア悲劇全集5・岩波書店)

アルケースティス

へべれけに酔っぱらったヘーラクレースが死に神をボコボコにのして、夫のために死んだ若妻を救う。マッチョイズムの極みだ。家庭内の感情的諍いが二千ウン百年前の話とは思えません。下手すると人間はこの数千年で1ミリも進歩していないのかね......(ギリシア悲劇全集5・岩波書店)

実録・外道の条件

ぎゃはは、いるいる、と笑っているうちに、身につまされすぎて黙り込んでしまう。どんな業界でも「業界人」ちうのは同じようなものなのか......(角川文庫)

夫婦茶碗

はまってます......。内的赤裸々と私は言いたい。「人間の屑」もいいが、「夫婦茶碗」中、個々のテキスト、エピソードの緊密な構造感は多分この作者の作品の中でも一つのピークなのではないかと予想します。(新潮文庫)

エーレクトラー

長かった物語の大円団を飾るのは、かなり鬱気味のエレクトラだった。積極的に否定的になることに生き甲斐を感じている後ろ向きの極地のような性格が、時々周りにいる人を思わせる。世は上辺臭いポジティブ志向だけれど、ネガティブ好きはいつの世にもおるのだなぁ......。(ギリシア悲劇全集4・岩波書店)




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