2006年3月アーカイブ

漂流爆弾

 表紙を見ると、絶対スパイ小説か何かのたぐいと思う。しかし読んでみると微妙に違うのだ。  友人のシャーマンを看取りながら、元軍人である神父が、かつて体験した日本の風船爆弾との戦いを語るという、基本的には戦争物・推理物のような感じの構成なのだが、  軍人時代の神父の想い人が手相占い師、実はシャーマンで、それだけなら普通なのだが、しかし彼女のサイキック能力がストーリーにからんでくるので、話が膨らむというか、何の小説か微妙な感じになってくる。  オカルトと推理......、合うか、そんなもん。条理と不条理、まるっきり逆やんけ(でも、考えてみると現実世界はそうかも......)。中盤で仕掛けが分かってしまったが、しかし逆に分かったということは、それでもちゃんと推理物にもなっているということかなぁ......  複雑な構成、微妙な状況の(しばしばイメージ化困難な)書き込みと相まってむしろ純文学の印象がある。  しかし、登場人物の中の、マッドなおじさんは、これは全然純文学じゃない(^_^;  彼のイカれた妄想発言を通して、その言葉と違う客観的な事実が見えるあたりの描写は、なかなか大したものである。  そのマッドなおじさんと美女の愛、ちょっとぎょっとするが、まぁ世間には良くある話なのかも知れない。個人的には、あったら嬉しいです。(ハヤカワ文庫NV)
 作者が実際にメーソンだという、(だから)彼のコメントが面白い本でした。日本なんて敗戦以前に英欧米カルチャーであるフリーメーソンにお膳立てをされている国だったという *2 、国粋主義の人が聞いたら悶絶ものの、でも多分事実を、ポップに書いとります。 メーソンのサインって、東京には本当にあちこちにあるんだよね。山の手内で電車の窓から外を見てれば分かるけど......。高校生の頃、そこらへんに関心を持っていた私は、上京してきてびっくりしたもの。国立のロッジは、なんか怖いけれど......。(新潮文庫)




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