魔力の女

異才・アイルズの新刊。『運命の女』関係といえば、これは私のストライクゾーンな部分なので、読む前からかなりの期待。この作者ですから期待は裏切られなかったのだが、し、しかし、これは......、これは...... オカルトです......。もしくは奇想小説。偶然、さきに紹介した『サルバドール』と同じく魂の転生を扱っているが、こちらはマジ。これまで、サイコスリラーだのスリラーだの書いてきた作者なので、これも何かタネがあるのだと思っていたら、最後までオカルトだった。本当に魂の転生があり得るという前提で話が出来ている。これだけでも混乱するのに、さらに以前のスリラーもの(全然オカルトではない)の主人公がサブキャラクターとして登場、大活躍をしたりと、なんというか、こちらの先入観を破壊し尽くす傍若無人ぶり、逆に爽快なぐらいである。 しかし、人間の執着心を描くには、実はこれぐらいデフォルメされた話をする必要があるのかも知れない。転生する女性心理は、非常にすっきりとよく分かるパターンだもの。一般的な傾向として、女性の愛情は、充たされぬ場合、執着になり、敵意になっていく、そのプロセスを『転生』という仕掛けを通すことによって、非常に明確に表現しているのだ。男性から見ると、女性心理のこの側面は、形而上学的に、怖いんだよね。思うに女性は、愛する対象と競い合っているのかも知れない。同じ愛が帰ってこなかったら、負けなのである。負けたら憎み、復讐するということだ。男の場合は、夢で終わるか、未練で終わるか、という感じなのですが...... *1 。これは怖いよ。モテる諸兄はお気をつけあれ。 *1 : もっとも、最近は女性的な愛情を持っている男子も多いようで、残虐な事件も起きたりしているようですが......(講談社文庫)

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