2005年3月アーカイブ

反社会学講座

去年読んで、めっぽう面白かった本 *1 で、【統計】の怪しさについて自覚的になれるような、......なんなんだろう、論文っぽいコラム、入門書? そこらへんははっきりしないのであるが、......。メディアの主張の多くが大変怪しい、それどころか大欺瞞であるという根拠を証拠付で示してくれます。これぐらいは分かってないと、現代社会は生きていかれない感じで、ったくもう、である *2 。毎年鳥インフルエンザの報道で自分の命運もこれまでかとナーバスになっている向きはぜひ一読あれ *3 。 *1 : 作者の名前も面白い *2 : 昨年、ここに書いたような気がしていたのだが、先ほど調べてみたら書いていない。次項の前フリになるので、私的には古いネタなのだが、アップしときます *3 : でもこの本自体、トラップはあるのでご用心(イーストプレス)

メトセラの子ら

 私の恩師で生物学者の國井先生は、『進化には意志が必要なのだ。遺伝子だけで分かるものではない』とずいぶん昔に教えてくれた。  メンデルの法則、というのは現代科学的に言うと、遺伝子万能の法則と言っていいのだろう。数年前に流行った利己的ななんちゃらとか、少々うろんな理論でも遺伝子のせいにしておけばとりあえず科学的な印象を演出することが出来るという風潮がある。  どうもそれが怪しいのかも知れない...... メンデルの法則を覆す研究結果、米国の科学者チームが発表  いやいや、記事はまだまだ遺伝子教の精神支配から抜け出してはいないのだが、それでも『種が悪くて畑も悪い』という諦めから私たちを救済してくれる可能性大である。どうも日本人は、祖先を立てるのが好きだから難しい部分もあるんだけれどね。   過去の遺伝情報を部分的に再び持つことが可能であるなら、親を超えるばかりではなく、誰かが原人(アダム・カドモン)の遺伝子を持って生まれてくる可能性もあることになる。伝説のメトセラのように700年とかの寿命を持つ人間も可能であるかも。  さらに、バイブルつながりで言えば、かつて天使が人間と肉体関係を結び、巨人達が生まれたということなので、そこらへんの遺伝子を持った現代人がいたら、という、これは伝奇小説のネタになりそう。 『メトセラの子ら』も、案外あるかも、なのである。(ハヤカワSF文庫)

千里眼を持つ男

 最近、電車での移動時間が異様に長いので、読んだ本の数が多くて大変だ。一時中断していたが、自分のためという意味もあり、あれこれどーでもいいようなことを書いていくつもりなのであるが *1 、すでに5冊後が控えている。忘備録的なものの筈なのに、書く前から忘れてしまうのでは何がなにやら......。  で、【千里眼を持つ男】である。これはシャーロック・ホームズのパラレルワールドものなのだ。『移動時間が長い、ヒマだぁ〜っ!』という即物的な理由で衝動的に田舎の書店で購入した。 そんで、結果として、あの時代を舞台にしているので、かなりのノスタルジィにひたってしまった。大体あたしの読書体験というと、ポプラ社の『少年探偵団』ものと『ホームズ』ものに始まるので、そこらへんの時代の空気は、実際に当時生きたわけではないのに、ふるさと的に感じてしまう。心の故郷ってやつですかね *2 。  この作者は、なかなか勘所がよろしく、話の無骨さ加減もあの時代に合わせているようで、それがことのほか、あたしはお気に召したのである。謎の敵が登場人物の命を狙い、『爆弾』を投げてくるのだが、なんとこの狙われた人物は、飛んでくる爆弾を素手で受け止め、敵に投げ返してしまうのである。これが北斗神拳やギャグではないのだ。直木賞候補作品にはこんなネタは出せまい。この無骨さ加減、分かるかなぁ? *1 : あたしはこのサイトで書評をしているのではない。ちょっと目を通して頂ければ、良いだの悪いだのあまり言っていないことが分かると思う。〜こまごました文句は多いが......〜 *2 : 不思議なことに、この時代の仕掛けの数々、進化論だとか催眠術、心理学、神秘思想、果ては阿片に至るまで、懐かしく感じてしまうのだ。(もちろん阿片なんて経験無いのだが!) シュタイナーなんかも、大体あの時代だし、現段階でのあたしの関心の多くは、幼年期の読書体験によるものなのかも知れない。"人間"、"大人"とは、そんな風に出来ているものなのかも知れないのだ。(講談社文庫)




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